〔美術館に併設し平櫛田中記念館がある〕
平櫛田中は98歳までは芸大に近い、湯島、谷中に住んでいたが、隠居所として最後の10年間この小平市に九十八叟院と称した住居をつくり過した。玉川上水のたたずまいが気にいったらしい。美術館入り口右側の和風建築が晩年の自宅で見学できる。この和室から眺める庭園は季節の花木が眺められ心が落着く、例の30年分の大木の彫刻材料が門の近くにあり、外の道路からも見える。平櫛田中が寝ていた床も敷いてあり、鴨居には田中の言葉を書いた額がかかっている。しばらく外の庭を眺め思索にふけった。そんな雰囲気のある建物だ。
〔武蔵野うどんは美味しい〕
今回は車で訪ねたが、電車だと西武多摩湖線「一橋学園前」から徒歩10分程度だ。駅近くに「武蔵野うどん」の店があり、安くて美味しかったので、わざわざ立ち寄ってみた。「武蔵野うどん」は地粉がこの地のもので独特のこしの強さと太さがあり、私は好きだ。この記念館を訪ねたら一度試食して欲しい。
〔平櫛田中のエピソード〕
☆ 彫刻家で食べるのは大変な時代でした、エピソードに昭和天皇より文化勲章受賞の席で、「何が一番大変でしたか」と問われ、「おまんまを食べるのが大変でした」と答えたという。
〔平櫛田中の有名な言葉〕
・60,70ははなたれ小僧、男盛りは百から百から(99歳、昭和45年)
・人間いたずらに他事、人生いたずらに年をとる。今やらねばいつできる。
わしがやらねばたれがやる(98歳、昭和44年)
・悲しい時には泣くがよい、つらい時にも泣くがよい。涙流して耐えねばならぬ。 不幸がやがて薬になる。
・守拙求真(しゅせつきゅうしん) よく書でかいた
小細工を弄せず、愚直を守ってこそ本質が求められる。
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(平櫛田中記念館 外観)
(武蔵野うどんの入り口)
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